不動産相続は相続問題が起こりやすく悩まれる方が多い財産です。
また、相続した家をどうするか、という活用方法などについても悩まれている方も多くいらっしゃいます。

 

相続に関する問題が起こった場合や不安を抱えている場合、どこに相談したら良いのか分からないという方も多いでしょう。

そこで、不動産相続の相談先をお悩み別にご紹介します。

 

お悩みの内容によって相談先は異なる

一口に不動産相続と言ってもお悩みによって専門家が異なります。
適切な専門家に依頼することによってトラブルがスムーズに解決する可能性が高くなりますので専門家の選定は重要な要素です。

 

一般的に不動産相続では4つのお悩みが発生しやすく、それぞれ専門家が異なります。

 

1.相続税に関するお悩み…税理士
2.相続人同士のトラブルに関するお悩み…弁護士
3.不動産の名義変更に関する相談…司法書士
4.不動産の活用や誰も使わない不動産がある場合…不動産業者

 

専門家はできる業務範囲がそれぞれ異なります。
以下の項でそれぞれの専門家について詳しく見てみましょう。

 

1.相続税に関するお悩みは税理士

 

申告期限内に間違いなく申告するには税理士に依頼するとよい

相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月間です。
その間に申告を行わなければなりませんし、税額控除等を活用して税額を抑えたいところです。

 

10ヶ月というと長いように感じますが、遺産分割協議なども行うことを考えるとあっという間です。
この間に全てを自分で行うには限界があります。
そこで、専門的な知識を有している税理士に依頼するとスムーズです。

 

相続税の申告手続きを行うのは自分または税理士

税理士、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家は相続財産の調査を行う事ができます。
しかし、相続税の申告を行うことができるのは自分以外には税理士のみです。

 

税理士と弁護士とでは税理士の方が税に関する専門性が高いと言えますので、税金の手続きは税理士に依頼するのが一般的です。
申告を誤りなく確実に行うためにも税理士に依頼するのが安心です。

 

ただ、相続財産に土地が含まれる場合は名義変更の必要があります。
税理士のほか司法書士への依頼も必要です。

 

2.相続人同士のトラブルに関するお悩みは弁護士

 

既にトラブルが発生しているなら弁護士に相談

弁護士に依頼する場合は既に相続人同士でトラブルが発生している、高い確率でトラブルが発生する、というケースです。
特にトラブルが発生していない場合は弁護士への相談の必要はないでしょう。

 

相続人間の遺産相続トラブルはどんなに仲の良い家族であっても発生した事例がいくつもあり、人ごとではありません。
特に不動産は1円単位での分割が難しい財産となるため、分割方法の意見が分かれるなどして、トラブルが発生するリスクが高い財産です。

 

そのため、相続トラブルが発生した場合は相続トラブルや不動産相続に強い弁護士に相談するようにしましょう。

 

裁判の代理人手続きが出来るのは弁護士のみ

裁判で特定の人の代理人を務めることができるのは弁護士のみです。

 

弁護士以外の専門家が遺産分割協議などにおける交渉や調停の代理人になることは出来ません。

 

トラブルが起こりそうな場合は早めに弁護士に相談しておくと、本当に法定で争うことになった場合にその弁護士が代理人となってくれるので慌てずに済むでしょう。

 

3.不動産の名義変更に関する相談は司法書士

 

不動産相続の相続登記は司法書士の専門分野

不動産相続の際に行う相続登記（名義変更）は司法書士の専門分野です。

トラブルなくスムーズに不動産を相続することが決まり、相続税の申告義務が発生しなければ司法書士に名義変更を依頼すれば相続手続きは完了となります。

 

不動産の相続登記は自分でも可能ですが、不動産の数が複数あるなど手続きの難易度が高い場合は司法書士に依頼した方が安心です。

 

司法書士事務所の業務範囲を事前にチェック

司法書士事務所に依頼する際にはその事務所の業務範囲を事前にチェックしておくことも大切です。
中には登記専門としている事務所もあり、相続財産調査を行ってくれないところもありますので注意が必要です。

 

司法書士に依頼する際には発生しそうな業務を事前に把握したうえで司法書士事務所のウェブサイトなどで業務範囲をチェックしましょう。

 

4.不動産の活用や売却は不動産業者

 

不動産の活用・売却の相談は不動産業者

不動産の活用や不動産を売却する際は不動産業者に相談すると良いでしょう。

 

不動産業者に相談することで相続した物件をどのように活用するのが最善かといった専門的なアドバイスをもらうことができます。
マンションの維持費や償却、借地権を行使する場合などには複雑なルールが設けられており、こういったことも不動産業者へ相談しておくと安心です。

 

また、不動産を売却したいと考えている場合にも不動産業者に相談することになります。

 

不動産の活用、売却どちらも不動産活用を得意としている業者に依頼することが大切です。
また、相続に強い士業と提携している不動産業者に依頼すると相続手続きもスムーズに完了させることが出来ますので、業者のホームページなどをチェックしておくと良いでしょう。

 

最適な運用方法は不動産業者に相談する

不動産をこれからどのように運用していくか、相続した不動産がどれくらいの評価価値を持っているかなどは不動産業者に相談します。

 

不動産は放置しているとコストが発生し続けてしまうだけでなく、倒壊リスクや防犯面などさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。
活用方法に迷う不動産こそ、不動産業者に相談しておくと後で起こりうるリスクを回避することができます。

 

相続のお悩みの内容は人それぞれ異なる

相続に関するお悩みは人によりさまざまです。
特に不動産相続の場合は相続人の家族関係や不動産の数、状況によりお悩みは大きく変わります。

 

もし、個人で士業の専門家に相談することに高いハードルを感じるようであれば、不動産相続を専門に取り扱っている不動産業者などに依頼すると良いでしょう。

 

不動産業者が相談内容に合わせて必要な士業を提携先から紹介してくれたり、不動産活用の際にはリフォームなども業者が手配してくれたりしますので、1つの窓口でさまざまなお悩みや不安を解決することができます。

 

不動産相続で不安なことがある場合、まずは不動産相続を専門的に扱っている業者に相談してみてはいかがでしょうか。