不動産相続で住宅ローンが残っていた場合の相続はどうなる?
2023.08.25
不動産相続が発生する場合、返済が終わっていない住宅ローンは相続しないといけないのか、親の住宅ローンを引き継がなければならないのか、と不安に思われている方も少なくないでしょう。
今回は、不動産相続の住宅ローンについて解説します。
住宅ローンは相続の対象
相続財産には家や土地、預金や株式のようなプラスの財産と、債務やローンのようなマイナスの資産があります。
したがって、マイナスの財産を引き継いだ相続人は返済義務が生じます。
住宅ローンもマイナスの資産に該当し、相続の対象となります。
つまり、被相続人が支払を終えていない住宅ローンを残した場合、原則として相続人が引き続き支払いを続ける必要があります。
同様に、クレジットカードのキャッシング枠や消費者金融から借りたお金などの負債も相続人に支払い義務が生じます。
ただし、相続税の計算の際に、マイナスの財産を相続税の総額から差し引ける「債務控除」や住宅ローンの支払い義務が生じない場合もあります。
住宅ローンなどの負債は控除して相続税を計算する
相続税は被相続人のプラスの財産から債務を控除した残りの額に対して課税されます。
この「債務」には
・住宅ローン、カードローンなどの借金
・死亡時点で支払っていなかった医療費、税金などの未払金
・葬儀費用
があります。
つまり、不動産相続で住宅ローンの残債があった場合、相続税の計算では残債分はプラスの財産から控除して計算できます。
このように、相続税の課税金額から債務を差し引いて計算することを「債務控除」と言います。
団信に加入していれば住宅ローンは免除となる
住宅ローン返済中に債務者が死亡した場合、まずは団体信用生命保険(団信)への加入の有無を確認する必要があります。
団信は住宅ローン契約と同時にローン契約者が加入する生命保険のことです。
多くの住宅ローンでは契約の条件として団信への加入を必須としています。
団信に加入しているとローン返済中に契約者が死亡したり高度障害の状態になったりした場合、団信から契約していた金融機関にローンの残債と同額の保険金が支払われます。
このため、相続人は住宅ローンの支払いが免除され、相続の際には住宅ローンの支払いがない状態で不動産を引き継げます。
団信から支払われる保険金は金融機関が受け取るため、住宅ローンの残債は債務控除にはならず、引き継いだ不動産に関して相続税がかかります。
注意点は住宅ローンを滞納している場合は団信に加入していても残りの住宅ローンを支払わなければならないという点です。
これは、3カ月以上住宅ローンを滞納すると、団信との契約そのものが失効となる可能性があるためです。
住宅ローンの支払いが滞っている場合は早めに任意売却などを検討しましょう。
生命保険に加入していた場合
団信への加入が任意となっている住宅ローンでは生命保険に加入しているケースもあります。
生命保険の場合は、保険金は金融機関ではなく遺族に支払われるため、そのままでは住宅ローンを返済したことにはなりません。
借入先の金融機関に連絡して必要な手続きを行います。
また、保険金の受取先が遺族になるため、受け取る保険金と住宅ローンは相続税に影響します。
残債のある不動産を引き継いだ場合、残債は債務控除として相続税の課税対象から差し引けます。
団信・生命保険に未加入で不動産相続が発生した場合の対応方法
団信や生命保険に未加入で住宅ローンの残債のある不動産相続が発生した場合の対応方法には単純承認、限定承認、相続放棄の3つがあります。
単純承認
単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続することです。
単純承認は特別に手続きをする必要はなく、相続開始を知った日から3カ月以内に限定承認または相続放棄の手続きをしなかった場合には自動的に単純承認を選んだとみなされます。
住宅や土地などの資産があり、かつ債務がない、またはあったとしても自分の預金と親が残した預金で賄える場合はこの方法を選ぶのが一般的です。
逆に財産よりも債務の方が大きいと損をすることになりますので、財産だけでなく負債についてもきちんと把握しておく必要があります。
特に不動産相続の場合は団信や生命保険の加入の有無についても確認しておきましょう。
限定承認
限定承認は、残された財産からプラスの財産の限度額まで債務を負担する方法です。
例えば、被相続人の相続財産が預貯金1,000万円、負債が1,500万円だったとします。
この場合、単純承認では1,500万円の負債をすべて引き継ぐことになり、1,000万円は相続した預貯金から支払うとしても、残りの500万円は自分が負担することになります。
そこで、限定承認を選択すると、相続人が支払わなければならない債務は1,000万円となり、残りの500万円は支払い義務がなくなります。
つまり、限定承認を利用すれば相続人が損しない範囲までしか財産を引き継ぎませんので、不動産相続の場合にも住んでいる自宅の価値内で借金を返済すればその家に住み続けられます。
限定承認をする際には相続開始から3カ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
また、限定承認は相続人が複数いる場合は相続人全員が限定承認に合意しなければならないため、相続人のうち1人でも反対した場合には利用できません。
相続放棄
相続放棄は相続人がすべての財産を引き継がないことです。
プラスの財産もマイナスの財産も含めて一切の財産の相続を放棄します。
負債の残債が多い場合など、残されたプラスの財産に対してマイナスの財産が多い場合は相続放棄を選ぶケースが多くあります。
相続放棄も相続開始から3カ月以内に家庭裁判所に申述が必要です。
なお、相続放棄の取り消しはできませんので十分な検討をしてから手続きを行いましょう。
不動産相続では住宅ローンの状態を確認する
不動産相続したときに住宅ローンが残っていた場合、慌てずにまずは団信や生命保険の有無を確認しましょう。
なかには住まいを失わないためにローン返済を続けたり、返済を恐れて相続放棄をしたりしてしまうケースもあります。
住宅ローンが残っていて団信や生命保険の加入がない場合でも、債務控除により相続税の負担額が減ったり、返済が難しい場合は銀行にリスケを相談するなどの方法があります。
住宅ローンなどのマイナスの財産を相続する場合には難しい判断が必要になることも少なくありませんので、不動産相続の専門家に相談してアドバイスやサポートをしてもらうと安心です。
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