ー不動産相続登記はいつまでに行う?2024年4月法改正前後の違いー
2024.06.14
「不動産相続登記はいつまでにするの?」
「不動産登記法の改正前と改正後ではどう違うの?」
2024年4月1日に施行された民法と不動産登記法の改正(相続登記の義務化)により期限が設けられたため、このように疑問を持つ方も多いでしょう。
【不動産相続登記の期限】
・法改正前(2024年3月31日まで):期限なし
・法改正後(2024年4月1日から):3年以内
この記事では、不動産相続登記の法改正前と改正後の期限がどのように変わったかを解説します。
最後まで読むと、相続登記義務化による注意点、相続登記の流れなどがわかります。
不動産相続登記はいつまでに行う?法改正前と改正後の違い
不動産を相続すると、被相続人(亡くなった人)から相続人へ名義を変える必要があります。
2024年4月1日に施行された法改正前と改正後の期限は、以下のとおりです。
・法改正前(2024年3月31日まで):期限なし
・法改正後(2024年4月1日から):3年以内
詳しく説明します。
法改正前(2024年3月31日まで):期限なし
法改正前(2024年3月31日まで)は相続登記の期限を定めた法律がなかったため、相続登記をしていなくても法律上問題なく、罰則もありませんでした。
近年、相続登記がなされずに所有者が特定できない不動産(建物・土地)が増加し、処分できずに不動産取引を妨げる社会問題となっています。
土地開発の計画をしても不動産の相続登記がされていないと所有者が確認できないため、行うことができません。
所有者不明の不動産の増加には「相続登記が複雑である」「固定資産の支払いが生じる」といった背景があります。
法改正後(2024年4月1日から):3年以内
すでに始まっている相続登記の義務化。
不動産登記法改正後の相続登記は、相続開始または所有権取得を把握した日から「3年以内」に行わなければなりません。
【改正後に相続した場合の相続登記の期限】
・相続で所有権を取得した場合:不動産取得を把握した日から3年以内
・遺産分割協議で所有権を取得した場合:遺産分割の成立日から3年以内
法改正前に不動産相続した場合の期限はいつまで?
法改正後は、改正前の相続も義務化の対象です。
そこで、法改正前に相続した不動産はいつまでに相続登記を行えばいいのかと疑問に思いますよね。
改正前に相続した場合の相続登記の期限は、下記の①と②を比べて遅い日が期限です。
①相続で所有権を取得した場合:不動産取得を把握した日から3年以内
遺産分割協議で所有権を取得した場合:遺産分割の成立日から3年以内
②不動産登記法施行日から3年以内:2027年3月31日以内
法改正前に相続した不動産がある方は、相続登記手続きを忘れないように期限内に行ってください。
ただし、法改正前に相続した不動産で取得したことを知らないケースでは、取得を把握した日から3年以内が期限です。
不動産相続登記義務化による注意点
正当な理由がないのに不動産相続登記を怠った場合は、10万円以下の過料対象といった罰則があるので注意しましょう。
【正当な理由】
・相続人が亡くなり、次の相続で相続人が増えて相続登記に時間を要する
・遺言での有効性を裁判している など
このような罰則を設けた理由は、不動産の流通を促し、相続によるトラブルを防ぐためです。
不動産相続登記の流れと必要書類
不動産相続登記は、以下の流れで行います。
1.必要書類の準備
【不動産相続登記での必要書類】
・被相続人(亡くなった人):⼾籍謄本及び除籍謄本
・被相続⼈(亡くなった人):住⺠票の除票
・相続人(新しい登記名義人):住民票
・相続人全員の⼾籍謄本または抄本
・相続関係説明図
・固定資産税納税通知書またはる固定資産税評価証明書
※遺言書がある場合:遺言書と検認済証明書(自筆証書遺言の場合)
※遺産分割協議の場合:遺産分割協議書と法定相続人全員の印鑑証明書
↓
2.相続登記申請書の作成
登録免許税の納付(印紙)
↓
3.法務局へ申請
↓
4.登記完了証などの還付書類の受取
必要書類をそろえて法務局に提出し、完了書類を受け取れば不動産相続登記が完了します。
まとめ
この記事では、不動産相続登記の法改正前と改正後の期限がどのように変わったかを解説しました。
【不動産相続登記の期限】
・法改正前(2024年3月31日まで):期限なし
・法改正後(2024年4月1日から):3年以内
・法改正前に不動産相続した場合:2027年3月31日まで
※不動産を取得したことを知らないケース:取得を把握した日から3年以内
2024年4月1日からの法改正による相続登記の義務化が施行され、不動産相続登記に3年以内の期限が設けられました。
期限が過ぎてしまうと、10万円以下の過料対象といった罰則があるので注意してください。
また、法改正前に相続が発生した不動産も義務化の対象となるため、早めに手続きを済ませましょう。
お困りの際には、当社へご相談ください。
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