不動産相続の悩みのタネとなる不動産相続トラブルとは
2022.01.28
不動産は相続財産の半分近くを占めます。
その分、不動産相続でのお悩みを持つ方も多くいらっしゃいます。
後になって「あの時家をこうしておけば」と思わずに済むために
不動産相続で起こりやすいトラブルや不動産相続の大まかな流れをご紹介します。
遺産のおよそ半分は不動産
相続税が発生するようなある程度の遺産がある層でも
遺産の半分近くが不動産が占めていると言われています。
また、相続税が発生しない層では
実家の土地建物が遺産のほとんどを占めるというパターンが大多数となっています。
相続税の非課税枠は2015年に改正され、以前の4割減となったため
相続税の対象となる人が増えています。
相続税の基礎控除(非課税枠)
改正前(2014年12月31日以前)
5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
改正後(2015年1月1日以降)
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
このように法改正後、課税対象になる方、課税対象になる額が増えていますので税金については注意が必要です。
不動産の相続でよくあるトラブル
不動産相続の場合、複数の相続人がいる場合はトラブルに発展するおそれがあります。
必ずしも法定相続にこだわらずに各相続人が納得いく形にお互い調整することも大切です。
ここでは不動産相続で起こり得るトラブルをご紹介します。
相続人どうしでトラブルになるケース
相続トラブルは相続人の数が多くなればその分トラブルの可能性が高くなります。
特に相続財産に不動産がある場合は協議がまとまらないこともあります。
最もトラブルを避けることができるのは遺言書の存在です。
相続トラブルを回避するためにも遺言書を作成すること、また親など被相続人となる方に
早めに遺言書を作成するように頼んでおくと良いでしょう。
不動産を平等に分割しようとするケース
相続人どうし平等に遺産を分割しようとしたとき、トラブルの原因となるのが不動産の存在です。
不動産には価格の指標がいくつか存在する為、どの指標を基準として分割するかで意見が分かれてしまうのです。
不動産の分割方法には「換価分割」「現物分割」「共有分割」があります。
「換価分割」とは不動産を売却し、その売却したお金を分配する方法で、最もトラブルの少ない方法です。
「現物分割」は土地を分筆してそれぞれの土地を相続する方法です。
しかし、分筆された土地の方位や形状などから
本当の意味で同価値の分筆は難しいと言えますし、家が建っている土地では分筆はまず難しいのが現実です。
「共有分割」は1つの土地を共有持ち分とする方法です。
遺産分割協議がなかなか決着できない場合に用いられますが
さらに次の世代に相続する場合に共有名義人が増えてしまうためあまり望ましい方法ではありません。
不動産を相続すると不平等になるケース
不動産がある程度価値のある物件だった場合や
相続財産が自宅以外にあまりなかった場合に起こりやすいトラブルです。
自宅は親と同居していた子が相続して引き続き居住するのが一般的ですが
他に相続人がいると上記の理由でトラブルになることがあります。
相続した不動産が空き家になるケース
被相続人は実家とは離れた場所に住んでおり、相続した家が空き家になるケースです。
すでに独立した子供が相続したからといってその家に引っ越してくることはあまり現実的ではありません。
したがって空き家の状態になるのですが、空き家を放置しておくと
建物の劣化や防犯面で近隣住民に迷惑をかけてしまうこともあります。
相続する実家が空き家になる可能性が高い場合は他の相続人と相談して
売却や貸し出しなど対応策を決めておきましょう。
遺言書が原因でトラブルになるケース
相続でトラブル回避のために最も有効となるのが遺言書の存在です。
しかし、この遺言書が原因となってトラブルへと発展していくこともあり得ます。
例えば遺言書の形式が無効となる場合や遺留分を無視した内容の場合
遺言書の有効性をめぐって相続人どうしで争いが起こる可能性があります。
遺産分割が誰か1人に著しく偏っていると
他の相続人から異議が出され、トラブルに発展する恐れもあります。
対策として被相続人は法的に適正な遺言書を作成することです。
また、相続人はもし遺産の配分が明らかに偏っていた場合には
遺留分侵害額請求をすることが可能です。
遺留分侵害請求を受遺者・受贈者が納得してくれれば解決しますが
解決しない場合は家庭裁判所での調停、調停でも解決できない場合は
地方裁判所で民事訴訟をすることになります。
不動産相続手続きの流れ
死亡届・遺言書の有無を確認
相続人となる相続が発生した場合
被相続人が亡くなられてから7日以内に市区町村へ死亡届を提出します。
次に遺言書が残されているかどうかを確認します。
遺言書が残されているかいないかでその後の手続きは変わりますし
相続手続きが終わった後に遺言書が見つかるとその後の手続きが大変になります。
できれば事前に遺言書の有無は被相続人との間で確認しておきましょう。
戸籍謄本等の書類取得
相続では戸籍謄本などの書類の取得が必要です。
被相続人に関しては出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要です。
不動産相続ではさらに不動産の登記事項証明書なども必要になってきます。
不動産相続の必要書類(遺言書なしの場合)
・相続人全員の戸籍謄本(被相続人死亡日以降のもの)
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生時から死亡時まで一連の全て)
・遺産分割協議書
・不動産の登記事項証明書
・不動産を相続する相続人の住民票
・不動産の固定資産評価証明書
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書は相続人が自分で作成することもできます。
しかし、専門的な知識がない方がいきなり書類を作るのは難しいのも事実です。
相続関係の必要書類は種類も多いため、不安な場合は専門家に作成を依頼した方が確実です。
相続手続きとともに不動産登記の変更手続きの申請書を作成し、法務局に申請します。
不動産相続は専門家に相談するのがおすすめ
相続では様々な手続きが発生するため、専門家に相談した方がスムーズに進みます。
相続関係で依頼することになる専門家とは税理士、司法士書士、弁護士などですが
士業の方でも必ずしも相続について専門的とは限りませんし、それぞれの専門家を探すのも一苦労です。
不動産の場合は不動産業者との連携が不可欠ですので
各専門家と連携して対応してくれ窓口になってくれる不動産業者に相談するのもおすすめです。
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