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不動産相続で配偶者に設置されている優遇措置と適用条件・注意点

2022.10.21

 

相続では配偶者は夫婦で築いた財産を他の相続人よりも有利に引き継げるよう、優遇されています。

 

不動産相続での優遇措置には「小規模宅地等の特例」と「配偶者居住権」等がありますが、この記事では不動産相続で配偶者に設けられている優遇措置と優遇を受けるための条件、注意しておきたいことをご紹介します。

 

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは亡くなった方の自宅として使われていた土地に対して、一定の要件を満たしている場合に、相続税の計算の際の土地の評価額を最大80%減額できる制度です。

 

実際の土地の価値は減らすことなく、相続税を計算する際のみ評価額を減額できるという大きなメリットがあります。

 

小規模宅地等の特例の適用には厳しい条件が設けられていますが、配偶者は無条件で適用されます。

 

例えば、評価額が8,000万円の土地の場合、1,600万円まで評価額を減額できるため、その他の財産内容によっては相続税が発生しないこともあり、適用されると税金面で有利となります。

 

小規模宅地等の特例の対象となる土地

小規模宅地等の特例の対象となる土地は以下の3種類となります。

 

特定居住用宅地等(実際に居住していた土地)

特定居住用宅地とは被相続人が自宅として使っていた土地のことです。
また、被相続人と生計を共にしていた親族が住宅として使っていた土地も小規模宅地等の特例の対象となります。

 

特定居住用宅地の場合、330㎡まで80%の評価額減となります。

 

特定事業用宅地等(事業を行っていた土地)

特定事業用宅地とは、被相続人が事業用として使用していた宅地で、自分の土地に個人名義の建物で事業をしている場合が該当します。

特定事業用宅地では、400㎡まで80%の評価額減となります。

 

貸付事業用宅地等(賃貸していた土地)

アパート、マンション、駐車場などに賃貸していた土地は「貸付事業用宅地等」として小規模宅地の特例が利用でき、一定要件を満たせば200㎡まで50%の評価額減となります。

 

注意点は親族、知人に低額で貸し付けていた場合や入居者を募集せずに長期間空室の状態になっている物件は特例を認められない可能性がある点です。

 

小規模宅地等の特例の適用条件

小規模宅地等の特例の適用条件は以下となり、自宅の土地の場合、配偶者は無条件で適用となります。

 

特定居住用宅地等

・故人の配偶者が相続する場合
・故人と同居していた相続人が相続する場合
・故人に配偶者・同居人がいない場合、相続前の3年間借家住まいの相続人が取得

 

特定事業用宅地等

・相続税の申告期限まで土地を保有し、事業を営んでいること

 

被相続人と同一生計の親族の事業用宅地の場合、以下の要件が必要です。

 

・相続開始の直前から申告期限までその土地で事業を運営している
・相続税の申告期限まで土地を保有している

 

賃貸事業用宅地等

・相続開始前から土地を貸付している
・相続税の申告期限まで土地を貸付している

 

配偶者居住権

配偶者には「配偶者居住権」があります。

 

配偶者居住権とは、建物の価値を「所有権」と「居住権」に分け、残された配偶者は建物の所有権がなくても居住権を取得することにより、被相続人が所有していた建物に引き続き住み続けることができる、というものです。

 

配偶者居住権を使うことにより相続財産を相続人間で分割するために自宅を売却して現金化しなければならない、子供に自宅を相続させたところ配偶者が住めなくなってしまった、という事態を避けることができます。

 

配偶者居住権の適用条件

配偶者居住権を利用できる条件は以下となります。

 

・被相続人の配偶者であること
・被相続人が亡くなった時に、配偶者が被相続人が所有する建物に居住していたこと
・遺産分割、遺贈、死因贈与、家庭裁判所の審判により取得したこと

 

これらの要件を満たせば、配偶者居住権が認められます。

注意しておきたいのは不動産の登記をしていなければ効力が発揮できないことです。

 

遺産分割協議で配偶者居住権を相続することが決定していても、登記をしないまま放置していると、新しい所有者が売却してしまうおそれがありますので、登記簿謄本への登記は忘れずに行う必要があります。

 

配偶者居住権の注意点

配偶者居住権には注意が必要な点もあります。

 

・配偶者居住権の売却、相続はできない
・配偶者居住権が設定できない場合がある
・土地には設定できない

 

配偶者居住権は配偶者の優遇措置であるため、売却や相続はできません。
居住権の権利を持っていた配偶者が亡くなった場合、配偶者居住権は「消滅」します。

 

また、適用条件を満たしていても、生前に不動産の権利を所有していた人が誰かによって設定できないことがあります。
例えば不動産の権利が被相続人と子供である場合は設定ができません。

 

さらに、配偶者居住権は建物のみに有効であり、土地には設定できないことは留意しておきましょう。

 

おしどり贈与

これまで相続における配偶者の優遇制度をご紹介してきましたが、不動産では「おしどり贈与」という優遇措置も存在します。

 

おしどり贈与とは

おしどり贈与とは配偶者との婚姻期間が20年以上であれば、居住用の不動産や自宅を購入する資金を配偶者に贈与した際にかかる贈与税が2,000万円まで非課税となる制度です。

 

これは既にある住宅を贈与する場合にも、新たに購入する住居の資金を贈与する場合にも有効です。

 

相続開始前3年以内の贈与は、相続時に相続財産として戻さなければなりません。
しかし、おしどり贈与をされた不動産は対象外となります。

 

おしどり贈与の条件

おしどり贈与を適用するためには以下の条件を全て満たしている必要があります。

 

①結婚20年以上の夫婦間での贈与
②居住用の不動産または不動産購入資金の贈与
③日本国内の不動産である
④贈与を受けた年の翌年3月15日までに住み始めること
⑤同じ配偶者からの贈与は1回のみ

 

配偶者の相続対策は専門家に相談しておくと安心

配偶者にはさまざまな優遇措置が設けられていますが、注意点も多くあり、二次相続により子供達に相続税の負担がのしかかる場合もあります。

 

将来を見据えた相続税対策には、専門家のアドバイスをもらいながらより良い方法を選択すると安心です。
不動産相続の相談は不動産に詳しい専門家に相談して情報を整理しておくと良いでしょう。

 

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